睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠中に上気道の空気の通り道が狭くなることによって、無呼吸状態(10秒以上呼吸が止まること)を繰り返す疾患です。
日本国内における潜在患者数は約500万人(有病率:男性約9%、女性約3%)ともいわれ、
比較的頻度の高い病気です。
十分な睡眠がとれず、日中の傾眠や集中力の欠如などを引き起こします。また、睡眠中の体内の酸素不足によりからだの様々な部位に負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中など重篤な合併症を引き起こすリスクが高くなります。
睡眠時無呼吸症候群の原因
主な原因は肥満による首や喉周りの脂肪ですが、顎、舌、扁桃の大きさなど、生まれつきの身体的特徴や鼻炎や鼻中隔湾曲症などの耳鼻科疾患が原因となることもあります。
睡眠時無呼吸症候群の症状
睡眠中の強いいびきと繰り返す無呼吸。
日中の倦怠感や集中力の低下により思わぬ事故を起こすこともあります。
低酸素、ストレスなどにより動脈硬化が進行し、高血圧や脳卒中、心筋梗塞の危険性が通常の3~4倍も上昇することが分かっています。
睡眠時無呼吸症候群の検査がお勧めの方
以下のような症状がある方は一度ご相談ください
- 大きないびきをよくかいている
- 睡眠中に呼吸が止まっている
- 日中、運転中に強い眠気に襲われることが多い
- しっかり寝ても日中眠く、倦怠感が強い
- 治療抵抗性の高血圧症がある
- メタボリックシンドロームの傾向がある
睡眠時無呼吸症候群の検査・診断
睡眠ポリグラフ検査により睡眠の質や睡眠中の呼吸の状態を調べます。
自宅で実施可能な簡易検査と入院が必要な精密検査がありますが、一般的には簡易検査を行って睡眠時無呼吸症候群の疑いが強い場合に精密検査が行われます。
精密検査は簡易検査よりも睡眠の質や呼吸状態をより詳しく評価することができますが、費用や時間がかかるのが難点のひとつです
睡眠時無呼吸症候群の治療
睡眠時無呼吸症候群の多くは肥満によるものであるため、減量を目指した食生活の改善や運動習慣の定着などの生活指導を行います。その他、飲酒制限、睡眠薬を使用している場合は減薬や中止を検討します。
軽・中等症の場合は、気道を確保するために下顎を前方へ移動させるマウスピースの装着が行われることがありますが、重症の場合は睡眠中にマスクから強制的に空気を送り込んで狭くなった気道を広げる「経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)」が行われます。
また、小児などに多いアデノイドや扁桃肥大、鼻中隔彎曲症などの器質的な異常が原因となっている場合は、扁桃摘出術などの手術が行われることもあります。