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潰瘍性大腸炎・クローン病(炎症性腸疾患)

炎症性腸疾患とは?

炎症性腸疾患とは、腸の粘膜に炎症を引き起こす病気の総称です。
ただし、感染性胃腸炎などの病気は含まず、一般的には潰瘍性大腸炎とクローン病のことを意味します。
いずれの病気もはっきりとした発症メカニズムは解明されていませんが、発症すると腸の粘膜に強い炎症が生じることで下痢、腹痛、血便などの症状が現れ、重症な場合には発熱や、体重減少などの全身症状を引き起こします。また腸だけでなく、関節や目、口、皮膚などにも症状を引き起こすことがあります。
炎症性腸疾患は、このようなさまざまな症状がよくなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴です。腸の粘膜の炎症を繰り返すことで腸の内部が狭くなったり、がんが発生したりするケースもあるとされています。
発症年齢は男性、女性ともに若年者に多いのが特徴で、15〜29歳までにピークを認めます。

炎症性腸疾患の原因

免疫機能の異常や食生活の乱れ、また、遺伝との関連も指摘されていますが、明確な発症メカニズムは現時点では解明されていません。

炎症性腸疾患の症状

下痢、腹痛、血便などの腸に関連する症状と、関節炎や皮疹、結膜炎、口内炎など腸には関連しない症状を引き起こしますが、種類や重症度によって症状の現れ方は大きく異なります。
潰瘍性大腸炎は主に大腸のみに炎症が生じる病気ですが、クローン病は大腸だけでなく口から肛門まで消化管のどの部位にも炎症を引き起こす可能性があります。症状は発症する部位によっても異なりますが、クローン病では約半数が痔ろうを合併するとされています。
いずれも軽症なケースでは長引く下痢や腹痛のみしか症状が現れないことがありますが、重症なケースでは、発熱や倦怠感などの全身症状のほか、頻回な下痢による体重減少や低栄養などが見られることも少なくありません。また、腸の炎症が繰り返されることで腸の内部が狭くなったり、がんを引き起こしたりすることもあります。
炎症性腸疾患の大きな特徴は、これらのさまざまな症状がよくなったり悪くなったりを繰り返すことです。つまり、発症すると一度は治療で回復しても再発する可能性が高いのです。

炎症性腸疾患の治療

炎症性腸疾患には基本的に薬物療法が行われます。使用する薬剤は病気の種類や重症度などによって異なり、過剰な免疫のはたらきを抑制するステロイドや免疫抑制剤、消化管の炎症を抑える5-アミノサリチル酸製剤などが挙げられます。近年では、炎症に関わる分子を直接標的とした生物学的製剤や炎症のシグナル(伝達)を抑える低分子化合物なども使用されるようになってきました。
また、薬物療法で十分な効果がない場合は、血液中からはたらきの強い白血球を除去して免疫のはたらきを抑制する“血球成分除去療法”が行われます。さらに消化管の狭窄を起こしたり、炎症が粘膜の深層にまで達して消化管に穴が開いたりした場合は手術によってそれらの病変を切除する治療が行われます。
一方、炎症性腸疾患は、症状が強い期間は消化管の安静を図る必要があるため、食事を取ることができないケースがあります。このような場合には、点滴や経腸栄養(鼻などから腸まで管を通し、そこから流動食などを投入する治療)による栄養管理が必要です。

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