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急性膵炎・慢性膵炎

膵臓とは?

膵臓は約13センチメートルの臓器で、周囲を胃の下縁と十二指腸に囲まれています。
主に3つの機能があり、①消化酵素を含む膵液の分泌、②血糖値の調節に必要なインスリンとグルカゴンというホルモンの分泌、③胃酸を中和するのに必要な大量の炭酸水素ナトリウムの分泌を行います。

急性膵炎と慢性膵炎

急性膵炎では、炎症が急に発生して数日以内に治まりますが、数週間続くこともあります。 慢性膵炎では、膵臓に持続的な炎症が起こり、膵臓の構造と機能に回復不能な変化が生じます。

急性膵炎の原因

急性膵炎の2大原因は、胆石と飲酒です。
急性膵炎の原因のうち胆石は約40%、飲酒は約30%を占めています。

急性膵炎の症状

急性膵炎を起こした方のほぼ全員に上腹部に重度の腹痛が生じます。約50%の人で、この痛みは背中まで突き抜けます。
その他の症状として、嘔吐、発熱などが出現することがあり、状態が悪化すると、意識障害やショック状態など重症化することもあります。

急性膵炎の診断

急性膵炎は、血液データと造影CTにより診断、さらには重症度判定が行われます。

急性膵炎の治療

急性膵炎の治療は、絶飲食による膵臓の安静と、十分な量の輸液投与を行います。
腹痛に関しては、鎮痛剤を適宜使用し、膵酵素の活性を抑える目的で蛋白分解酵素阻害薬も使用します。
重症膵炎においては、集中治療が必要ですので、対応可能な部署や施設に、患者さんを転送し、輸液管理に加え、臓器不全対策、感染予防、栄養管理などが必要となります。

慢性膵炎の原因

慢性膵炎の原因は、男性では飲酒最も多く、女性では原因不明の特発性が多くみられます。

慢性膵炎の症状

慢性膵炎の初期段階では、膵臓の機能は保たれており、腹痛が主な症状です。
慢性膵炎が進行すると、次第に膵臓の機能が低下し、さらに進行すると、膵臓の機能は著しく低下し、消化不良をともなう下痢や体重減少、糖尿病の発症や悪化が生じます。

慢性膵炎の治療

慢性膵炎の治療は、禁酒、禁煙を行い、腹痛に対しては鎮痛剤や蛋白分解酵素阻害薬を使用します。膵管が細くなっている場合は、内視鏡を用いて膵管を広げたり、膵石がある場合は、内視鏡による除去や体外衝撃波結石破砕術を併用することもあります。これらの治療を行っても、痛みが治まらない場合は、手術を行います。

慢性膵炎の注意点

慢性膵炎の患者では、膵臓がんのリスクが高くなるので、飲酒と喫煙を控える必要があります。

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