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アルコール性肝疾患

アルコール性肝疾患とは?

アルコールの過剰な摂取が原因で引き起こされるさまざまな肝臓の病気の総称です。
代表的な疾患としては、アルコール性脂肪肝、アルコール性肝線維症、アルコール性肝硬変、肝がんがあります。
アルコールのほとんどは肝臓で処理されていて、多量のアルコールを摂取し続けることで肝細胞は変性や壊死、さらに線維化を起こし、次第に肝臓のはたらきは低下していきます。
アルコール性肝疾患では、最初にアルコール性脂肪肝を発症します。その後、アルコール性肝炎やアルコール性肝線維症へと病気が進行し、最終的にアルコール性肝硬変へと至ります。

アルコール性肝疾患の原因

アルコールの大量摂取が原因です。長期に多量の飲酒を続けている人ほどアルコール性肝障害を起こす可能性が高いといえます。
また、肝臓においてアルコールを分解する能力は遺伝的な要素によっても違いがあります。
飲酒の量・期間や遺伝的な要因のほかに、男女による違いもあり、女性の場合、男性よりも少量もしくは短期間の飲酒で肝障害が発症・悪化することが知られています。

アルコール性肝疾患の種類

「アルコール性脂肪肝」

アルコールの過剰摂取で起こった脂肪肝をアルコール性脂肪肝といいます。
症状はほとんどなく健康診断などで指摘されて初めて気づくことが多いです。
しかし放っておくと、アルコール性肝炎やアルコール性肝線維症に進行し、やがて肝硬変や肝がんなどの重篤な病気を起こす可能性があります。
脂肪肝は可逆性病気ですので、飲酒をやめれば改善が期待できます。

「アルコール性肝線維症」、「アルコール性肝硬変」

肝線維症が進行したアルコール性肝障害の最終段階がアルコール性肝硬変です。
肝硬変では、腹水や黄疸、消化管の静脈瘤などが出現してきます。
また、肝性昏睡といって意識の状態が悪くなることもあります。

「肝がん」

アルコール性肝硬変の状態となった肝臓には、肝がんが発生することがあります。
アルコールを原因とする肝がんは増加傾向にあり、注意が必要です。

アルコール性肝疾患の検査・診断

詳細な飲酒歴の聴取 (日本酒換算で1日3合以上を5年以上続けている人ではアルコール性肝疾患になる可能性が高いとされています)、血液検査、画像検査(超音波検査、CTなど)

アルコール性肝疾患の治療

治療の大前提は、禁酒です。
しかし、アルコールに対して依存症となっている場合も多いため、いきなりの断酒や、断酒を継続することは容易ではありません。
治療を進めていくにあたっては、本人と主治医だけでなく、ご家族の協力、また精神面にもアプローチしていくことが必要です。
定期受診を続けていくことも非常に大切で、たとえ飲酒してしまい後ろめたい気持ちがあっても、受診を自己中断せず、主治医と相談しながら治療を継続していくことが重要です。

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