胆のうポリープ、胆のうがん
胆のうとは?
胆のうは、胆汁という消化液を溜めておく袋です。
胆汁は肝臓で1日500~700ml作られ、主に脂肪を消化する働きがあります。胆汁はいったん胆のうに蓄えられ、脂肪を含む食品を摂ると、胆のうが収縮して胆汁を十二指腸に絞り出します。
胆嚢ポリープとは?
胆嚢ポリープは胆嚢の内側にできた盛り上がりです。
胆嚢ポリープの90%がコレステロールポリープと言われる「良性」ポリープで、治療の必要はありません。
しかし、胆のうポリープには一部癌化することのある腺腫性ポリープや、稀ではありますが「悪性」つまり「胆のうがん」のことがあります。
胆のうがんとは?
胆のうがんは、悪性の胆のうポリープで手術治療が必要です。
検査で正確に胆のうがんを他のポリープと見分けることは難しいですが、サイズの大きいポリープ、なだらかな盛り上がりのポリープ、急激に増大するポリープは胆のうがんである可能性があります。
胆のうポリープの症状は?
胆のうポリープはほとんどが無症状です。
健康診断や人間ドックの際にエコー検査で見つかることがほとんどです。
胆のうポリープの検査は?
超音波(エコー)検査は胆のうポリープを見つけるための標準的な検査です。
ポリープの大きさ、形、個数を確認することができます。
繰り返し行える検査のため、ポリープの経過をみる場合には、定期的なエコー検査を行います。
胆のうポリープの治療は?
良性の胆のうポリープは治療を必要としません。
胆のうがんの治療は?
胆のうがんの場合は早期の治療が望ましいです。
「良性の胆のうポリープ」と「早期胆のうがん」を正確に見分けることはとても難しいです。また、検査で「明らかに胆のうがん」と判断できるまで病気が進んでしまうと治療が困難になってしまいます。このため、「がんが疑わしい」と判断した場合は、「がん」の診断が確定できなくても、胆のうを手術で切除します。そして、切除した胆のうを顕微鏡検査で詳しく調べる「診断的治療」という方法がとられます。
良性の胆のうポリープは、放置しで良いか?
5㎜以下の胆のうポリープ、5㎜以上でも有茎性で10㎜未満のポリープは「がんの疑いなし」と判断されます。
しかし、ごく早期の胆のうがんがこの中に紛れ込んでいる可能性があります。
このため、「がんの疑いなし」と判断した場合でも放置せず定期的にエコー検査を行って胆のうポリープの大きさや形に変化がでないか経過観察します。